井戸ぎほう やさしくおしえて 【感想】
あらすじ
何かが足りない大学生、光。
自分のことを好きになってくれる子が好き。だけど大事に持っていられない。
弟の聖は大事にするのが上手で、聖の手の中のものの方が、ずっと素敵に見えて羨ましい。
そんなとき、光の大学に、聖の高校の同級生・東村が入学してくる。
押しつけがましくないけれど、わかりやすく光に好意を持つ東村。
一途で素直な東村のことが気になりながらも、光はうまく向き合えない。
やさしくなりたい。
やさしくしたい。
わがままで欲張りな、拗れた心のほどき方を、やさしくおしえて。
読み返すほどに好きになる良作
大好きな作品で、一時期は枕元に置いて、毎晩眠る前に必ず読んでいました。
傑作ではないけれど、じわじわと好きになる、そんな良作。
紙媒体で見つけるのは難しいかもしれません。
光と東村のお話が全6話+その後1話の計7話。
描きおろしでサイドカップル、光の弟・聖と、東村の弟・さちおのお話が入っています。
体温を感じる描写と読後の幸福感が好き
誰かをきちんと好きになって、大切にしてみたいけれど、受け身のままちょっとずるくふるまってしまう主人公・光(ひかる)と、そんな光に恋する東村(とむら)のお話。
東村が光を好きな在り様がとにかく良く、何度読んでも悶えてしまいます。
東村というのが、背が高くて背筋が良くて、礼儀正しく物腰やわらかな、ただでさえ好感度の高い子なのですが、光を前にしているときの熱っぽさがなんとも言えず愛おしくて、個人的には天井知らずの好感度です。
まなざしや赤らんだ頬に、あたたかさや微熱っぽさがにじんで、その熱感から光を好きなことがありありとわかる空気がとっても良くて、たまに情熱がはみ出してしまう感じもまた身悶える。
置いた手の位置や、指を絡ませたりぎゅっと握ったりといった手の描写にも、リアルに温度を感じさせる上手さがあって、好きな人と触れ合った部分に神経が集中して熱くなる、切ないような幸せな感覚が思い出されます。
特に最終話の6話は圧倒的に幸福で、東村の体温や重みに感じる光の安心感と、東村の想いが、読んでいるこちらにそのまま通じるかのようで、しみじみと幸せになれます。
中表紙のイラストも素晴らしく、読み終わったあとに改めて見ると、光の笑顔からその裏の物語が透けるようです。
試し読みまとめ
序盤なので東村はまだ出てきませんが、中表紙は見れますので是非。
個人的には ebook japan が読みやすかったです。
楽天でも10頁まで読めました。
価格:770円 |
って、あああ!
きぼうじゃないよー、ぎほうだよー!
なにもかも初めてで色々と洗練されておらず、ごめんなさい。
井戸ぎほうさんのコミックはあと2冊出ていて、どちらも大好きなのでそちらについてもいずれ書いていきたいです。
その頃にはもう少しわかりやすい伝え方を会得している予定…。
読んで頂きありがとうございました。